墨田ものづくり体験!硝子企画舎キルンワーク編
墨田区には、小さな博物館・工房・工場が数多く点在していて、沢山のものづくりを見て、体験して、そして職人さんとお話しすることができます。そう、墨田はものづくりの町なんです。
でも、「頑固な職人さんが出て来たらどうしよう・・・。素人でもできるのかな・・・。」といった不安ありますよね。そんな方に代わって、墨田のものづくりを実際に体験!
みなさんこんにちは!
アイスクリームはずっしりがいい、ニゴリカワです!
今日は、普段聞きなれないキルンワーク体験ができる「硝子企画舎」さんにお邪魔します。
本日のマイスターはどんな方かしら…。
と、その前に。
本日お邪魔する硝子企画舎さんのご紹介を簡単に。
硝子企画舎さんは、工房兼アトリエ兼ギャラリーなんですが、元々バケツ製造工場だった建物を自分たちでリノベーションされたそうです。手前に見える白い部屋は「プリズムプラス」と呼ばれるギャラリーになっていて、建物の中にすっぽりと建物が入った変わった造りになっていますよ~。
さっそく建物内部に潜入!まるで秘密基地のような空間が広がっています。
屋根はトタンになっていて、さんさんと光が入り込んできます。
明るいー!暖かいー!
天井を見上げるとむき出しの骨組み。
男心だけでなく、女の私の心(ハァト)も擽られました。
みなぎるこのワクワク感…!
工房の一角は、小部屋に区切ってシェアアトリエにされています。ここでは、将来ガラス作家を目指す若手の作家さんが入居され、専門の機械や道具を使い日々作品作りに没頭されています。
ここで色々素敵な作品が生まれているのか~。
このアトリエも秘密基地感がすごいぞ~。
本日の体験場所はここです!
一際目を引く色とりどりの棚が目印。
最大10名ほどなら一緒に体験することもできるようで、実験室のようなアトリエは自然とテンションが上がる~!
このカラフルな砂のような、一見すると入浴剤のようにも見えるものが今日使う材料…なの?
えー、どうやって使うのかな~。
まずは恒例ニゴリカワがマイスターをパシャり。
本日お世話になる、井上 剛さん。
ニッコリ優しく出迎えてくださって、想像していた職人さんとはぜんぜん違う!
今回も優しそうなマイスターでほっと一安心…。
挨拶もそこそこに、さっそく体験スタート!と行きたいところですが、その前に…今回体験するキルンワークとはそもそもなんぞや!
一言でガラス作りと言っても技法は様々!てっきり吹きガラスみたいなのを想像していましたが、それは熱で溶かして形作る「ホットワーク」と呼ばれるそう。
その他にも江戸切子のような冷えた状態のガラスを削ったり、研磨したりして形を作る「コールドワーク」というものもあるようです。そして、今回体験させていただくキルンワークは、石膏型に常温のガラスを詰めて電気窯に入れ、焼成し変形・熔着させる技法になります。
と言っても、よく分からないので、まずは実際に別のお客さんが作られたものを見せていただきます。
なるほど、ふむふむこういうものが作れるのか〜!
この時点までキルンワークがなんなのか分かっておらず…。ここでようやく本日作るもののイメージが湧きました。
まず、どのような模様や絵を描くか決め、白紙に下書きをします。
予め絵柄を考えておくと当日スムーズかもしれません!
トレースをして模様を描くこともできるので、何かお気に入りのイラストや写真を持参するのもいいかもしれません。
もちろんニゴリカワは今回もノープラン!
…
…
…
…!
必死に脳みそをフル回転させて何を描くか決定!
デザインはのちほどご紹介いたします。皆様乞うご期待!
さきほど描いたイラストや模様を、カーボン紙を使って石膏に模様を写していきます。
少しだけ強めに鉛筆をひくと、綺麗に石膏型に写ると思います。
中々緊張します~!
でも、間違えて描いても消しゴムで消せるので、焦らずゆっくり線を引きましょう!
次に写された線を金属の棒でなぞるように彫っていきます。
面白いようにスルスルと彫れるので、どんどん楽しくなって行く〜!
でも、ここでうっかり掘り過ぎちゃったり、掘る場所を間違えるとデザイン通りにはいかなくなるので注意です!
いよいよ色を乗せていきます。
まず、はじめに色をこちらの棚から選びます。こんなにたくさんあると、選ぶのに悩みますね。
でも、それだけデザインの幅も広がってとっても嬉しい!
普通の色鉛筆なんかの色と違って、このカラフルな粉状のものは硝子の粉末に金属を混ぜて色を出しているものなので、”青”といってもただの青とは少しニュアンスが違うし、”緑”も”赤”やっぱり普通の色とは違うな〜。
これは硝子だからかな〜。
今回選んだのはこれらの色。
マイスター「たくさん選びましたね…」
ニゴリカワ「は、はい…、すいません…」
マイスター「いえいえ、いいんですよ」
色のついた硝子の粉末をパレットに出し、同量の水を垂らします。
粉を溶くように筆を使って掻き混ぜます。
まさに絵の具の要領で、とても懐かしい感覚です。
でもこれ、絵の具と違って水に溶けているわけではないんです!
よく考えれば分かりますが、 水と硝子粉末は混ざらないですね。
じゃあ、どうやって色をつけるのか。
そっと筆で「塗る」のではなく「置く」ようにするといいですよ、とマイスター。
ほほー、なるほど!
石膏に乗せるとみるみる水分だけが吸収され、色のついた硝子粉末が残ります。
あとは、デザイン通りになるよう、ひたすらこれを繰り返します。
この作業、色を塗るのとは勝手が違うので、普段の20%増しの集中力を発揮しました…。つ、疲れた。。
じゃん!
第一段階クリア!
今回のデザインのテーマは「光の洪水」です。
次はこちらの棚から選ぶ…んですが、また選択肢がたくさん!
先ほどの粉末タイプのガラスとは違って、今度は粒状の硝子を使って色を乗せていきます。
これはなんだか宝石のように見えます。
ザラメ砂糖とか(食い気)。
選んだ色の硝子の欠片を石膏の上に乗せていきます。
今度は手でつまんでどんどん置いていきます。
色の配置も考えつつ…
マイスター「それじゃ全然足りません。」
ニゴリカワ「えっ」
マイスター「もっと、もっとです。」
ニゴリカワ「こ、これくらいですか…?」
マイスター「もっとです!」
ニゴリカワ「こ、こうですか?」
ざっくざっくと硝子の欠片を石膏に乗せていきます。
もはやこれはなんなのか、出来上がりがどうなるのか想像もできない…!
山盛りやないかーーーーー!!!!!
でも、これで正解らしいです。
要はガラスの塊が溶けて成形して行くので、隙間なくガラスで埋めないと穴が空いてしまうみたい。
これを500度~900度まで加熱した電気釜で硝子を成形していきます。
ガラスを焼いて窯の中で常温に冷ますまでに2日、そのあとマイスターの手によりガラスを削ったり磨いたりの最終加工をしていただくので、完成までには大体1週間ほどかかります。
遠方の方は郵送してもらえるので、ご安心を。
完成が少し怖いような気もしますが、楽しみですね!
…1週間後
後日、完成したとのご連絡をいただいて、受け取りにやってきました。
色が上手く出ていないところや模様がバラバラしていたりもしますが、初めてにしては上出来?ではないでしょうか。
表はマット仕上がりで、ざらざら。
対称的に、裏はつるっとした仕上がりで、ピカピカしています。
さて、今回の体験はここまで!
完成が後日になるという初めてのパターンで、はやる気持ちを抑えつつ完成までのワクワクする感じも楽しいですね。
「墨田ものづくり体験 硝子企画舎キルンワーク編」はどうでしたか?
みなさんも、秘密基地でのものづくり体験してみたくなったらぜひ。
会場 | 硝子企画舎 |
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住所 | 東京都墨田区石原4-16−7 |
アクセス | 錦糸町駅 徒歩10分 本所吾妻橋駅 徒歩10分 両国駅 徒歩12分 |
公式ウェブサイト | http://garasukikakusya.com/ |