すみだマガジントップ > すみだの住みか > 地域と繋がる墨田の新しい仕事場「co-lab墨田亀沢:re-printing」

2015.10.15(木)

地域と繋がる墨田の新しい仕事場「co-lab墨田亀沢:re-printing」

co-lab
2015年3月20日(金)にオープンした「co-lab墨田亀沢:re-printing」。
これまでにも沢山のイベントが行われ、実際に訪れてみたことがある方もいれば、様々なメディアで紹介されたものを見て、気にはなっているけどまだ行ったことがないという方も多いのではないでしょうか。

オープンして約7ヶ月が経ち、どんな方が入居され、どんなことをここでやっているのか、実際に利用されている方にインタビューをさせていただきました。

co-lab
今回、お話を聞かせていただいたのは、この地域に関わる仕事をされている3人の方にお集まりいただきました。
左から、コンサルタントの深川さん、プランナーの三田さん、エンジニアの竹下さん、そしてco-lab 墨田亀沢の有薗さん。

―まず、みなさんがco-labに入られたきっかけ、教えて下さい。
竹下さん:夜中にスカイプで打ち合わせする機会が増えてきて、夜遅くまで使える作業スペースを探していたんですが、なかなか遅くまで使えるところがこのあたりにありませんでした。ここは前から知ってはいたものの、なかなか足を運ぶタイミングもなくて見学していなかったんです。
そんな時に、深川さんと一緒に仕事する機会が多くなっていて、深川さんがすでに入居するつもりで一緒に見学しないかと誘ってくれて、一緒に行ってそのままその日に入居しました。
深川さん:そう、7月7日の七夕の日に、二人で一緒に入会しました(笑)
竹下さん:だからすごく早く決まりましたね。家からも近くて立地的にも便利ですし。
―深川さんは、見学される前から入居するつもりだったのはなぜですか?
深川さん:サンコーさんの社長のことは、4~5年前から存じ上げていて、色々とご縁がある中で、こうゆうのを始めるからどう?と、お声がけいただいて、もう二つ返事で入居を決めました。
でも、それまではこの近所で間借りをしていて、そこに1年半くらいいたんですけど、不自由なことも多かったのと、ちょうどタイミングがよかったのと、値段的にもここなら半分くらいだし、新しくて綺麗でいいかなと。
―三田さんは、ここの立ち上げからお手伝いされていたとか?
三田さん:こちらを立ち上げる時に関わらせてもらって、やっぱり入りたいですよね。他人事じゃないってところもあったんですよ。
それと以前、別のスペースに入っていたんですが、個室だったということもあって交流がなかなか生まれづらかったんですが、ここならそうゆうことが生まれやすいのかなと。そういった楽しみもあって入りたいと思いました。

それぞれどんな仕事をされているのか伺ってみました。

co-lab
竹下さんは、元々神戸出身で、システム開発がメインのエンジニアで、2000年からフリーランスで活動されています。最近では、開発の方だけでなくプログラミング教育などの活動も行っておられます。

―実際に入居していかがですか?
竹下さん:フリーと言っても客先常駐が多かったんですが、最近は受注だけじゃなくて自分で作ったり立ち上げたりしていこかなって思って、仕事の仕方を変えようとしています。それまでは、客先常駐だったので実は墨田区に住んで長いんですが、地元との接点ってほとんどなかったんです。業界自体、帰るのも遅かったので、隣の家の人の顔くらいは知ってるけど、町内のこういう接点なかったんです。
でも、働き方を変えて墨田区に関わる仕事をしていく中で、地域との関わりが必要になってくるなーというのは意識していたんですが、急にネットワークができたり知り合いができるわけではないじゃないですか。外での活動であったり、こちらに入居するのはいいきっかけになったんじゃないかなと思います。

co-lab
竹下さんと一緒に入居された深川さんは、北海道出身。
教育や観光系のコーディネートやコンサルをされていて、大手旅行代理店からの営業窓口になって、イベントや教育的プログラムを企画・実施するといったことをされています。

―墨田区との関わりは?
深川さん:仕事としての関わりでしかありませんでしたが、2003年くらいかな、ちょっと前に中学校の廃校を利用したインキュベーションセンターを作るというようなことを墨田区がやっていて、そこに席を置いてくれないかってのが、そもそも墨田との最初の始まりでした。
墨田区は、昔からモノづくりの町を標榜されていたので、職人さんの腕や技術をお借りして、モノづくり体験みたいなのをプロデュースしてもらえないかってことを区からお願いされて、モノづくり体験ツアーのようなものを中学校などに代理店を通じて販売していたんですよ。
所謂、今かなり増えてきている体験プログラムのさわりの方をやってました。屏風とか人形とかほんと伝統工芸的なことを最初はやっていて、修学旅行で地方から東京に来る中学生などに下町のモノづくり体験なんかは、学校によっては評判が良かったんです。

co-lab
三田さんは、墨田区生まれの墨田区育ち。
地域活性や事業戦略に関する調査・企画・プレゼンテーション・助成金申請・デザイン・コンサルティング、イベント運営と幅広い活動を行われており、co-lab墨田亀沢の立ち上げに関わられています。

ものコト市 vol9
また、地域活動として、墨田区の障がい者福祉施設の商品づくりプロジェクト「すみのわ」のプロデューサーや墨田区向島の牛嶋神社で年2回行われる手作り市「すみだ川ものコト市」の代表もされています。
ちょうど、取材させていただいた日の翌週には、第9回目のものコト市が控えており、最終調整のまっただ中でした。

co-lab 墨田亀沢の特徴

co-lab
ここの特徴は、なんと言ってもコワーキングスペースの下に印刷工場があるという点。印刷の相談やアドバイスが受けられる印刷コンシェルジュが常駐していたり、スペースの一角に置いてある活版印刷機やカッティングプロッター、大判インクジェットプリンターといった機械が使えるところが、他のコワーキングスペースにはない魅力の一つだ。

―印刷向けのサービスが充実していますが、実際に利用されていますか?
深川さん:イベントをやる時に必要な物なんかは、出力させもらってますね。やらしい話もっと安いとこ探して、節約するとかはできると思うんですけど、そのためにまた時間使うよりはいいかなと。
僕は、プロのクリエイターじゃないので、ちょっと欠陥あるデータを下で見てもらって、色々と調整してくれたりアドバイスしてもらったりして、作ってくれるのが楽なんですよね。出力費だけでやってくださいますし。
あと、イベントの時なんかは使う物をここに置かせてもらったり、作業ができたり、融通が利きますよね。今入ると人数少なくて広いので、ほんと贅沢な使い方ができますよ。
それに、印刷屋さんなので、余った紙もたくさんあって梱包の紙なども下でもらったり。そんなことは普通できないし、やっぱり印刷会社があるってことを知ってて、双方知った上で使わせてもらえるってのはすごいメリットですよね。プライスレス。これ書いてください。
全員:

深川さん:これでシャワーあったら住んじゃいますよね。

印刷をしない人、クリエイターじゃない人は入れないのでしょうか?

co-lab
印刷工場が下にあることのメリットは、十分すぎるほど感じられると思いますが、では、そうじゃない方にとって入居するポイントはどこなんでしょう。そもそもクリエイターじゃない人って入居可能なんでしょうか。

職種的に印刷をあまりしなさそうな、竹下さんに伺ってみました。

―竹下さんはエンジニアなので、あまり印刷されないように思いますが?
竹下さん:確かに、仕事で「印刷」って絡むことがなかったんですよ。むしろ電子書籍を作ったことがあるので敵じゃないかってくらい(笑)
有薗さん:未だに出力料金一枚も使ってないですもんね。
竹下さん:ただ、システムの仕事をしているので、会う人って限られてるんですよね。基幹系やってるとデザイナーさんなんて知り合うこともないですし。だからこそ、色々イベントをやられていて、そういう場違いな場所に出て行ったり、今まで周りにいなかった人たちと接点を持つのはすごく楽しいなと思っていて、そうゆうきっかけにもなりますし、機会があれば参加していきたいと思っています。
有薗さん:印刷会社からいうと、印刷物のデザインならうちでもできる。でも、例えばお客さんからWEBサイト作りたい、動画作りたい、ブランディングやってほしいって言われてもうちでは対応できなくて、大手代理店に仕事が行っちゃうわけです。でも、自前でクリエイターチームを持てるわけではないので、そういった方々が入居してくださるというのは、我々にとってもありがたいことなので、テーマとして「印刷会社がやってる」ということは売りにしていますが、ぜんぜんそこだけに限ってるわけではありません。

co-lab
竹下さんは、ここで子供向けのプログラミング講座を行おうとされています。

―実際に入ってみて、地域の繋がりは増えましたか?
竹下さん:それはまだかな。ただ、僕が今度ここで「ジュニアプログラミングクラブ QUEST」というイベントをやらせてもらうんですよ。前は一人で情報発信してただけなんですけど、ここに見学に来た中学生なんかにも配布してくれたり、入居者さんでネットワークの広い方に発信していただけたり、声かけてもらったりするのは、すごく助かるなぁと感じています。

ジュニアプログラミングクラブ QUEST」は、子ども向けプログラミング言語 SCRATCH(スクラッチ)を使って、楽しみながらプログラミングが学べるイベントです。

プログラミング言語特有の構文などを、学習したり入力したりする必要はなく「ブロック」と呼ばれるプログラミングのパーツを、パズルの様に組み合わせて作成していきます。これにより、プログラミングに触れるハードルが格段に低くなり、小中学生からでも簡単にプログラミングを学習できるというもので、興味のある方はこちらもぜひ参加してみてください。

フリーアドレス、固定席、個室

co-lab
みなさんフリーアドレスの席を利用されているそうですが、固定デスクそして法人用の個室も用意されています。

―固定デスクを借りる予定は?
深川さん:竹下さんと話しているのは、早くいっぱい稼いであそこに入れるようになりたいねって。出世魚のように、まずは「固定デスク」に、そしてもっと稼げるようになったら、3人くらいで「個室」借りたりね。
竹下さん:今月からちょっとステップアップして、ロッカーを借りましたね(笑)

co-lab
入居されている方がやってくるのは、昼前からや夜間。
少しゆっくりめで利用される方が多いそうです。

―どのくらいの頻度で利用されていますか?
竹下さん:多い時はほぼ毎日かな。少なくても1日おきくらいには来てますね。
他の方ともよく会いますし、深川さんは一緒のプロジェクトをやらせてもらってるので、頻繁にやりとりさせてもらいますね。

ここでの出会いや繋がり

co-lab
同じ職種や業界の人だったり、仕事を頼んだり頼まれたりするのも、コワーキングスペースの魅力の一つ。

―ここでは、どんな人との出会いを期待しますか?
竹下さん:西側ってこうゆう拠点ってたくさんありますが、東側ってどうしても少ないですよね。クリエイターが集まるコミュニティーみたいなのも。だから、これから入ってこられる方も、男性女性問わずいろんな働き方をしてる方がいらっしゃるので、ここでそういう方と話すことで気づきであったり、一緒に何かやりましょうみたいなことも期待してますよね
三田さん:イベントをやるとクリエイター以外の人にもたくさん出会えてるので、いいですよね。もっと墨田区外の人とも知り合いたいので、そういった方にも出会えるといいかなと思います。
それと、会社や会議室の中だけで打ち合わせをするとあまり発想が出てこないような気がしていて、こういうとこだと新しい発想が生まれたり、ラフな雰囲気でできるんじゃないかなと。出会いというか、発想との出会いみたいなことを期待しています。

イベントを通した出会い

co-lab
co-lab墨田亀沢では、印刷やクリエイティブなものに限らず、定期的に様々なイベントや勉強会でこのスペースを提供されていて、一般的なコワーキングスペースに比べて、地域の方が多く集まっているのもここの特徴です。

―頻繁にイベントが行われていますが、入居されている方は気になりませんか?
有薗さん:イベントの際は、入居者の方には会議室を開放したり、固定デスク使ったりしてもらってます。ただ、竹下さんも参加したいって仰ってくださったように、そうゆうイベントにはみなさん参加してもらいたいなと思っています。メンバーさん料金を設定して、そこで交流が生まれて欲しいし、実は騒がしいことも価値なのかなと。
深川さん:群衆の中の孤独みたいなのあるじゃないですか。シーンとした個室よりも喫茶店とかのワイワイガヤガヤしてる方が集中できていい場合もあるので、僕は嫌いじゃないですね。
―今後も定期的にイベントはやっていかれる予定ですか?
有薗さん:そうですね。知っていただかないといけないので、今後もイベントはどんどんやっていこうと思っています。

co-lab
最低限のルールはあるものの、今は入居されている方が実際に利用してみた意見を元に、臨機応変にその都度ルールを作ったり変えたりされています。今なら一緒にこのスペースを作り上げていく感じが味わえるのも、ここの魅力なのかもしれません。

みなさん新しい方が入って来られるのを、心待ちにされています。
この町に関わりたい、関わった人に出会いたい、地域に関わった仕事がしたい、そしてこのスペースを一緒に作っていきたいといった方はぜひ。

住所 東京都墨田区亀沢4-21-3
アクセス JR総武線・地下鉄半蔵門線 錦糸町駅 北口 徒歩9分
JR総武線 両国駅 徒歩20分
都営浅草線 本所吾妻橋駅 徒歩16分
費用 会員制度や入居費用などはこちらをご覧ください。
お問い合わせ co-lab 墨田亀沢
すみだの求人情報
すみだの空き物件情報
この記事を書いた人
すみだマガジン編集部 すみだマガジン編集部

» すみだマガジン編集部さんが書いたほかの記事

PAGETOP