ハト婚 – 鳩の街ウェディング –
戦前から続く昭和の面影を今も残す「鳩の街通り商店街」で、商店街全体を使った結婚式「ハト婚 – 鳩の街ウェディング -」が行われました。
新婦は、この商店街に昔あった古いお茶屋さんの建物を近所のひとや友達、街に研究に来ている学生の力を借りて改装し、1階に施設図書館「こすみ図書」を作り、そこを運営しながらこの場所で暮らしていました。
そして、結婚を機にこの地を離れ、東北で暮らすことになりましたが、向島での暮らし、移り住んだ東北の様子を知ってもらうために式場に選んだのが、この鳩の街通り商店街でした。
2016年10月29日。
いつもの商店街に行くと、入り口には大きな垂れ幕がかけられ、普段とはちょっと違う雰囲気が流れていました。
参加者の受付は、商店街入り口付近にある空き物件を利用。
出席者に配られたパンフレットがとてもかわいい。
この日、商店街では別のイベントも同時開催されていて、出席者の区別が分かるようにピンクのリストバンドも配られるなど、商店街がピンクに染まった一日でした。
式が始まるまでの待ち合い場所には、お二人が運営していた、元こすみ図書が使われました。
今は別のギャラリーとなってしまいましたが、この日は、二人のこれまでの歩みが分かる展示がされていて、式が始まるまでの時間にみなさんご覧になっていました。
メイン会場は、商店街の中央にある広場。
そして、式は墨田聖書教会さんの牧師さんが務められました。
新婦の登場はもちろん商店街を通って。
広場には、溢れかえるほどの人が集まりました。
式の中盤は、メイン会場からこすみ図書へ商店街を歩いての大移動。
出席者の方は、商店街をよく知ってる方もいれば、別の地域から来られて初めてここを歩く方までさまざま。
このハト婚には、商店街という場所だけでなく、様々な場面で地域のお店に協力をお願いされていました。
まず、ケーキカットのウェディングケーキには、商店街にある「マルミチキン」さんのチキンを使ってチキンカットを行い、出席者の方にお肉が振る舞われました。
そして、ブライダルカーには、商店街にある「千輪」さんが用意した自転車が使われました。
さらに、引き菓子には、向島にある「言問団子」さんの最中が使われているなど、この地域を大切にし知ってもらいたいという、二人の気持ちが伝わってきます。
もちろん、他にも見えないところでたくさんの知り合いの方や商店街の方に、協力してもらいながら行われた手づくりの式は、下町らしい温かいもの。
たまたま知らずに通りかかった方も足を止め、たくさんの方が祝福される姿が印象的な結婚式でした。