すみだファクトリーめぐり「スミファ 2014」東日本金属の工場開きに参加しました。
普段は絶対見られない墨田区内の工場開きが、2014年11月15日、16日に二日間限定で行われました。その名も、すみだファクトリーめぐり「スミファ」。今年で第三回目となる墨田区でも人気のイベントです。
本日は、このイベントの二日目の様子をご紹介させていただきます。
東日本金属株式会社
時間的な関係でお邪魔できたのは、墨田区立花にある「東日本金属株式会社」さん。
「東日本金属」さんは、大正7年(1918年)創業の鋳物専業メーカー。
昔ながらの手作業中心の鋳造法によって主に建築金具を製造されています。
鋳物専業メーカーと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、簡単に言うと写真のようなドアや窓の取っ手や錠前などを作られています。
これらの製品は、大量製造品ではなく数個から数百個程度を1個ずつ作り込んでいるという非常に手間のかかった製品なんだそう。
こちらの工場、ゆうに100年は超えているというとても歴史のある建物です。
上の方は隙間や穴が空いているので、雨の強い日は中に入ってくることもあるんだそう。
舞い上がる砂で工場の壁や天井は真っ白になっていて、鍾乳洞のような幻想的な雰囲気です。
工場を紹介してくださるのは、東日本金属の小林さん。
工場のこと、鋳物のことを広く伝えたいという気持ちがめちゃくちゃ伝わる説明で、ぐいぐいひきつけられました。
お聞きした内容で、簡単にですが、鋳物の製造工程をご紹介させていただきます。
(ざっくりなので、実際はもっと複雑だと思います)
原料
こちらが原料となる真鍮。これを溶解炉で溶かします。
溶解炉
こちらが溶解炉。ここで溶湯ができます。
この日は工場がお休みの日だったため、稼動していませんでしたが、普段はものすごい暑さだそうで、1日の作業で数キロ体重が減ることもあるんだそう。
型の作製
そして、こちらで枠の中に砂をつめて型を作り、型に溶湯を注入します。
型ばらし
そして型を分離して、製品を取り出します。
工場がお休みということもあり、取り出す工程の実演はありませんでしたが、砂の山に製品が置いてあるとまるで金でも発掘したかのよう(笑
これなんの型かわかりますか?野菜をそのまま型どったものなんだそうです。
以前ここでは雑誌の表紙撮影にも使われたことがあるそう。
制作事例紹介
これ見たことがある方も多いと思いますが、スカイツリーに使われているオブジェもこちらで作られています。
刑務所の扉に使われている取っ手。
赤い部分は、ライトで反射して光り、夜の見回りの際に閉まっているかどうかが分かるようになっているそう。
埋め込み式の窓のロック。高級住宅などに使われているそうです。
他にもまだまだおもしろい製品や歴史的建造物などに使われているすごい製品もたくさん。ほんとびっくりするようなものばかりですよ。
鋳物だけじゃなく、穴を開けるドリルといった機械も隣の工場にありました。
ツアーの時間帯ではありませんでしたが、次から次へとお客さんが工場見学にいらっしゃってました。
こちらが100年以上も経過した工場の概観。
今日まで全く知らなかった鋳物の世界ですが、普段から見ている製品ができる工程はやはりおもしろいですね。
私なんかが聞くより、子供やもっと若い人にこそ回ってもらいたい素敵なイベントでした。今年行けなかった方は来年ぜひとも。